Web制作プロセス:保守・運用
制作プロセスとしては、クロージングフェーズで終了しています。
しかし、Webサイトは運用し改善していくプロセス、いわゆる PDCAサイクルを回すことが何より重要です。
制作したら一発でサイトの目的を達成することなどまずあり得なく、日々改善の努力をしないと成果が出るサイトにはなりません。
また、制作は順調にいきコストも少なかったが、運用に多大なコストがかかっているというサイトも珍しくありません。サイトの運用設計は制作以上にコストの面で効いてくるので注意が必要です。
制作業者がどこまで運用にかかわるかはさまざまですが、少なくとも運用の重要性をクライアントに認識してもらわないと、「作るだけ無駄だった」という結果になりかねません。
【保守・運用フェーズのタスク】
商品購入や問い合わせを受け付ける
商品購入を目的とする ECサイトでは、ほとんどが商品管理システムや顧客管理システムと連動していますので、日常的に管理画面にログインし状況をチェックする体制を構築します。
物品販売では配送手配をしなければなりませんが、代行してくれる業者もあります。デジタルコンテンツの販売では自動的に商品が送付される仕組みを構築します。
いずれにしてもできるだけ作業を自動化し、手間をかけないようにすることが大切です。
問い合わせに関しては、管理者のメールアドレスに問い合わせがあったことを通知してくるサイトが多いでしょう。問い合わせにはレスポンスが命です。ユーザーに対してのレスポンスを良くするため、問い合わせ内容によって通知するメールアドレスを振り分けるなど、対応を工夫します。
また、問い合わせフォームに外部サービスを利用しているサイトも多く見受けられます。外部サービスは設置が簡単であり、管理システムもしっかりしているので利用する価値はありますが、問い合わせフォームだけドメインが違っていることに違和感をおぼえるユーザーもいるので気をつけましょう。
コンテンツを追加する
サイトを運営していると、コンテンツの追加や変更は避けられません。新着ニュースなど日常的に発生するコンテンツの追加はクライアントにやってもらうことが基本です。
その他の追加も CMS をうまく活用して、クライントが自らできるようにしておくのが理想です。
コンテンツ追加・変更に際し、手間がかからない仕組みを構築しておくことも、サイト制作者の腕の見せどころです。
アクセス解析を実施する
Webサイトを改善するには現状を把握することが第一歩です。そのためにアクセス解析は必須となります。
アクセス解析に関して、世の中にはさまざまなツールやサービスが存在し、どれを選択すればよいか悩んでしまうほどです。
有料サービスでは当然のことながら細かい解析をしてくれますが、Google アナリティクスなど無料ツールでも十分な機能を持っていますので、そちらを利用してみてもよいでしょう。
定期的にバックアップする
Webサイトはいつ攻撃を受けるか分かりませんし、オペレーションミスでデータがとんでしまうこともゼロではありません。定期的にバックアップをとり、以前の状態に戻せるようにしておくのは運用の基本です。
ほとんど更新しないサイトなら、半年とか1年に1回、手動でバックアップしても何ら問題ありません。しかし頻繁に更新するサイトなら自動バックアップは必須となります。
レンタルサーバーにもバックアップサービスはありますし、他にも有料でバックアップサービスを提供している業者はたくさんあります。それらを利用することも考えられますが、自分で自動バックアップ設定をすることはさほど難しくありません。
お金をかけないで自動バックアップする方法もいくつかあります。
マニュアルにまとめてありますので、以下のページを参照してください。
» 「Webサイトバックアップ方法」
サイトを改善する
世の中にはモニタリングシステムとか解析システムと称し、データを収集するシステムはたくさんあります。そしてそのほとんどがデータを収集するだけで、終わってしまっているのが現状です。莫大なコストをかけてせっかくデータを収集しても何ら活用されないのです。それなら、やらないほうがよっぽどましです。
アクセス解析は必要だからと、とりあえずツールを仕込んでおいても、その後に何もアクションをとらなければ、全くの無駄です。
「データは何かの役に立つかもしれないから」とか「そのうちやるつもりだ」という意識では 99%サイト改善まで進まないでしょう。
アクセス解析の本質は、サイトを改善することです。
「目標を達成するための糸口を何が何でも探る」という覚悟でアクセス解析を実施し、改善方策をトライしていかないとライバルサイトにはまず勝てません。
またデータだけですべてが解決するというわけではありません。
コンテンツの読みやすさやサイトの使い勝手は、どうしても人間の感覚による評価が必要となります。サイトを訪れるお客様から意見を聞いたりするのも重要でしょう。
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