【第1回】CMS/WordPress の基礎
講座の第1回では、WordPress を使うにあたって前提となる基礎知識を解説します。
いきなりサイトを制作し始めるのではなく、WordPress の仕組みやメリットを知り、納得した上で制作に取り掛かったほうが良いと思うからです。
CMS/WordPress とは何か
CMS(Content Management System)とは、日本語では「コンテンツ管理システム」と言います。Webページのコンテンツを構成するテキストや画像などを、統合・体系的に管理し配信などの処理を行うシステムのことです。
これにより、Webページを制作する際の役割分担として、
・文書構造は「HTMLで記述」
・デザインは「CSSで記述」
・コンテンツは「CMSで管理」
と切り分けることが可能になります。
さらに、現在の CMS はコンテンツだけでなく、Webサイト全体を管理するシステムとなっています。
WordPress は、CMS の中では世界的にシェアNo.1 のシステムです。CMS の支配率としては約60%という調査結果もあります。
WordPress の特徴
- 当初はブログシステムとしてスタートしましたが、最近では機能が拡充され、一般のWebサイトでも広く使われるようになっています。
- 世界中のボランティアによって開発が行われています。
- GPL というライセンスを採用しており、誰もが無料で使用できるだけでなく、改変や再配布も自由となっています。
- サイトの外観を決めるものは「テーマ」と呼ばれており、無料/有料のものが数多く存在します。その数は他のシステムやサービスを凌駕しています。
- 簡単に機能追加できる「プラグイン」というモジュールがあります。こちらもテーマと同様に、無料/有料のものが数多く提供されています。
WordPress は他の追随を許さないほど、柔軟でかつ拡張性のあるシステムとなっています。それがすべて無料で使えるのですから、これほど普及するのも納得です。
無料といえば、最近では Wix や Jimdo などのホームページ作成サービスもありますが、それらのサービスを使うとどうしても「縛り」が生まれてしまいます。
その点、WordPress の自由度は圧倒的で、「どのような使い方も可能」と言っても過言ではありません。
WordPress を使うにはどうするか
非常に便利な WordPress ですが、どうやって利用すればいいのでしょうか?
それにはいくつかの手順とノウハウがあります。
以下は使うにあたっての、おおまかな手順です。
WordPress のインストール
一般の人は Webサイトを公開するにあたって、レンタルサーバーを借りると思います。
WordPress の基本的なインストール方法としては、FTP で直接レンタルサーバーのディレクトリにファイルをアップロードして行います。現在では多くのレンタルサーバーで、WordPress の自動インストール機能を持っており、この作業は非常に簡単になっています。
また、WordPress はデータベースを使用しますので、サーバー内にあらかじめデータベースを作成しておく必要があります。作成方法は使用するサーバーにより異なります。
この講座では、ローカルのパソコンに WordPress およびその実行環境をインストールして Web制作する方法を解説します。
初期設定およびテーマの選定
WordPress では、Webサイトのデザインや動作を規定した「テーマ」を選定することが重要です。テーマは独自で一から作成することも可能ですが、他の人が作成した既存のテーマを選ぶことも可能です。
テーマを独自に作成するのはハードルが高いので、まずは既存テーマをベースにサイトを作っていくのが簡単です。
既存テーマには、管理画面から検索しインストールできる「公式テーマ」と、「非公式テーマ」があります。公式テーマは 100% GPL が保証されており、誰もが安心して使うことができます。この講座でも公式テーマを選定しています。
必要なプラグインのインストール
プラグインとは機能拡張するモジュールのことですが、こちらも公式と非公式のものが存在します。使用するテーマによっては、インストールを推奨しているプラグインもあります。
プラグインは非常に便利なので数多くインストールしがちですが、WordPress本体や他のプラグインとの相性、処理の重さ、またアップデートの煩雑さもありますので、必要最小限にとどめておくことが肝心です。
管理画面からのコンテンツ入力
WordPress によるサイト制作の準備が整ったら、いよいよ管理画面からコンテンツを入力していきます。
標準機能である投稿や固定ページの追加だけでなく、ウィジェットでページにコンテンツを追加する場合もあります。また、ページ内に設置するナビゲーションは、メニューを作成することで表示することができます。
テーマによっては「テーマオプション」や「カスタマイザー」で、さまざまな設定項目を設けているものもあります。
WordPress での Webサイト制作作業では、管理画面からコンテンツを入力したり、デザインなどの設定を繰り返し行うことがメインとなります。
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