WordPress特集 - WP Multibyte Patch
公開日:2021年11月30日
プラグイン WP Multibyte Patch は、マルチバイト文字の取り扱いに関する不具合の累積的修正と強化を行うプラグインです。以前は WordPress 本体の日本語版に同梱されていましたが、最近は同梱されなくなりました。その現状を解説します。
【記事執筆時の環境】
WordPress 5.8
WP Multibyte Patch 2.9
【参考ページ】
プラグイン公式サイト
以前は日本語環境で WordPress を動作させるには、WP Multibyte Patch は必須のプラグインでした。しかし WordPress 本体がマルチバイト文字に対応してきていることもあって、WP Multibyte Patch は既に必要ないとも言われています。実際のところ、WordPress 開発チームの判断で、日本語版にはもう同梱されておりません。ただ、公式プラグインとしてインストールはできますし、アップデートは現在も続いています。
結論から申しますと、もはや必須のプラグインではありません。私が制作するサイトでもインストールしていないサイトはたくさんありますが、特に不具合は生じておりません。他のプラグインと同様、必要に応じてインストールすればよいと考えます。
以下、必要性を判断するため、WP Multibyte Patch がもついくつかの機能を紹介します。
抜粋の設定変更
投稿の抜粋は、一覧ページなどでよく表示されます。取得される文字数のデフォルト設定は、英語では 55 words、日本語では 110 文字になっています。
また最後に付く省略記号は […] となっています。
これらのデフォルト設定値を、プラグインの設定ファイル「wpmp-config.php」で変更することができます。
ただし設定の変更はフィルターフックを使っても簡単にできます。そのやり方はネットを検索すればいくらでも出てきますので、WP Multibyte Patch に頼る必要はありません。
検索における全角スペースを区切り文字として認識
WordPress が装備しているキーワード検索機能において、AND 検索をするにはキーワードを半角スペースで区切ります。これを全角スペースも区切り文字として認識させることができます。
検索機能を使うサイトでは、この機能は WP Multibyte Patch をインストールするメリットと思います。
確かに WordPress 5.8 の時点でも、全角スペースは区切り文字として認識されません。Google 検索エンジンは全角スペースも区切り文字として認識してくれるのに、サイトの検索ボックスで認識しないのはユーザーフレンドリーとは言えません。
ファイル名サニタイズ
ファイル名に日本語を含むと、メディアライブラリにアップロードした際にリネームされます。ファイル名は MD5 を使い、規則性のない 128 ビット(0–fの半角32文字)の文字列となります。これはファイル名がマルチバイト文字を含む際の不具合を、未然に防ぐ目的です。
ファイル名が規則性のない文字列となるため、アップロードしたファイルをメディアライブラリで探すにはサムネイルで判断するしかなくなります。もっとも、Web サイトで使うファイル名に日本語を使うというのはどうかと思いますので、最初から半角英数字と一部の記号だけで命名されたファイルにしておけばよいだけです。
WP Multibyte Patch デフォルト設定の変更方法
「wpmp-config.php」の中には、標準的な設定値と各機能の有効/無効が記述してあります。
内容を編集することでデフォルト設定を変更することができます。
設定ファイルは、プラグインディレクトリの中にある「wpmp-config-sample-ja.php」を複製して「wpmp-config.php」にリネームします。
そして内容を編集したファイルをディレクトリ wp-content の直下に配置します。
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